- From: Taro Yamamoto <tyamamot@adobe.com>
- Date: Thu, 15 Jan 2026 04:59:12 +0000
- To: Kobayashi Toshi <binn@k.email.ne.jp>, JLReq TF 日本語 <public-i18n-japanese@w3.org>
(もう一つコメントします) > これだと,横組でも多くで下がって見えますが,特に縦組では左に寄って見えます.それは,人間の目は,上下の位置よりは,左右の位置のずれに敏感だからかな,と思っています. 横組みの場合に、下がって見えるかどうかは、その従属欧文書体の設計(特に大きさの設定と字幅の設定)、そして主観によっても、大きく変わります。 1. 従属欧文のデザインについては、大きさや太さの上で、伝統的には、(1)和文とほぼ同じ大きさに見えて、少し太めに見えるように設定する方法が、広く行われてきました。この場合には、ディセンダ―ばかりの文字でない限り、必ずしも12%の位置でもなんとかバランスをとることが可能です。他方で、最近は(2)和文とほぼ同じか少し小さくても良く、文字の太さは濃度的にぴったり同じに見えるように調節する、という方針で作られる場合があるかもしれません。この場合には、12%だと低く見える場合の頻度は高くなると予想します。そのためベースライン位置を調整してBASEテーブルに記述する方法を採用するかもしれません。 2. 活字の時代には、鋳造所ごとにベースラインとボディの相対的な位置は異なっていたため、鋳造所や鋳造機メーカーを超えた標準は存在しませんでしたが、おおよそ15%〜33%の間ほどの位置にあり、例えば、Linotypeなどでは電算写植時代になっても22%程度でした。つまり、単純に和文と欧文とをボディを揃えて組むと、少し欧文が高く見える場合が多くありました。そのため、活字・写植時代の日本語と欧文の混植に馴染んだ人は、DTPが出現したときに12%位置のベースラインが採用されると、多くの人は欧文がやや下がって感じる場合がありました。特に従属欧文ではなく、大きさが和文よりも小さな純粋な欧文を、位置や大きさの調整をせずに、和文の行の中にボディで揃えて組んだ場合、その傾向が顕著になります。 和文と欧文との濃度のバランスについては、欧文デザインには、特殊なものを除いて、普通は、日本語の本文用の明朝体の太さに合う書体はほとんどありません(欧文の方が太い)。そのため、細いウェイトの明朝体の従属欧文では欧文の太さを細める必要が生じます。従来は、和文と欧文との区別を付けるために、欧文の方を少し太めでデザインする傾向がありましたが、このことは欧文のデザインを尊重するという意味では理にかなっています。他方で、最近は、和文と欧文の太さをできるだけ均等に合わせる、欧文のベースラインの位置をあまり高くしないことを好む人も増えているようです。このことは、一方ではDTPと和欧混植の日常的な普及が原因といえるかもしれません。ただ、あまりに濃度が和文と欧文との間で均質になり過ぎると、読みやすさを損なう可能性もあるかもしれませんが、この点は検証されていません。 山本 アドビ
Received on Thursday, 15 January 2026 04:59:26 UTC