- From: MURATA <eb2mmrt@gmail.com>
- Date: Thu, 4 Dec 2025 16:16:29 +0900
- To: W3C JLReq TF <public-i18n-japanese@w3.org>
- Message-ID: <CALvn5EDZCOyp9_PaHjnMikFX-AQg9yXrJ0ahCYvuzEww9xbiTA@mail.gmail.com>
皆さん、 WCAG 2.2 JIS原案作成委員会の一部の人たちにお送りしたメールです。こちらにも転送しておきます。 村田 真 ---------- Forwarded message --------- From: MURATA <eb2mmrt@gmail.com> Date: 2025年12月4日(木) 16:07 Subject: JIS X 8341-3 改正に関する基本原則(たたき台) 皆様、 次期 JIS X 8341-3 の検討にあたり、WCAG 2.2 を日本語環境に適合させて適切に解釈するための「基本原則」 を、まずは整理してみました。 これはあくまで「問題をどこに限定し、どこを変更対象としないか」の線引きを明確にすることを意図しています。 大幅な改訂につながるものではなく、JISとして必要最小限の調整に範囲を絞ることを目的としています。 以下が現時点での原則案です。 ________________________________ ■ JIS版WCAGに関する基本原則(案) 原則1:縦書きに関する変更 WCAG 2.2 は横書きを前提として書かれており、縦書きを考慮していません。その結果、縦書きのWebコンテンツやEPUBのアクセシビリティを阻害する場合には、JIS版WCAGで必要最低限の変更(MOD)を行います。 (理由:商業出版など縦書きを必要とする分野にも適用できるWCAG JISとするため。) ________________________________ 原則2:ルビに関する変更 WCAG 2.2 は、ルビを考慮していません。その結果、ルビを含むWebコンテンツやEPUB のアクセシビリティを阻害する場合には 、JIS版WCAGで必要最低限の変更(MOD)を行います。 (理由:教育分野などルビを必要とする分野にも適用できるWCAG JISとするため。) ________________________________ 原則3:AAAの達成基準には手を触れない AAAの達成基準については、 - 実際の運用で適用される場面が非常に限られ、 - 変更したとしても利用者に対する効果が小さく、 - 国際整合性の観点からも修正の意義が乏しい という理由から、JISとして独自の変更は行わないものとします。 ________________________________ 原則4:行間・字間などの具体的な数値指定には踏み込まない WCAG の数値(行間・字間など)は、西洋言語前提の“最低限の耐性テスト値”であり日本語に最適ではないが、以下の理由により当面は変更しない: - I18N WG:値が欧文偏重で言語依存性が考慮されていないと問題視 - CSS WG:本来この種の固定値はスタイルの柔軟性を損なうため書くべきではない - AG WGを含む三者の間に合意がなく、国際的議論もまとまっていない よって、JIS として独自の値を導入するのは時期尚早であり、国際動向を慎重に見守る。 ________________________________ 原則5:変更点は「日本語組版で不整合が明らかに発生する箇所」に限定する - 変更範囲は必要最小限にとどめ、 - 国際標準との差異を最小化し、 - 他言語に影響を与えない形 での調整に限定する。 ________________________________ 以上の原則は、「縦書き・ルビに関する明白な不整合だけを最小限に扱い、それ以外には踏み込まない」 という保守的な立場を明確にするものです。 この方針であれば、JISとしての妥当性・受容性も高いと考えております。 これから、これらの原則にしたがって、達成基準の見直しを行い、W3C JLreq TFの了承も取り付けた案を作る予定です。 みなさまのご意見をいただきながら、必要に応じて調整していければと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 -- 東日本国際大学客員教授 村田 真 -- -- 東日本国際大学客員教授 村田 真
Received on Thursday, 4 December 2025 07:17:09 UTC