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RE: 縦書きにおける文字の向き

From: Koji Ishii <kojiishi@gluesoft.co.jp>
Date: Tue, 15 Mar 2011 20:46:22 -0400
To: "public-html-ig-jp@w3.org" <public-html-ig-jp@w3.org>
Message-ID: <A592E245B36A8949BDB0A302B375FB4E0AB2BFBB6A@MAILR001.mail.lan>
大変なご時世ではありますが、まずは自分にできることを、ということでこの調査を続けています。が、引き続き長引いています。

まず縦書きにおいてどの文字を正立とし、どの文字を90度回転するか、ということに関して、AdobeとAppleはフォントの中に情報を持つべき、MSはフォントの中は必要最低限としてアプリケーションが判断すべき、としています。どちらが正しいかは別として、現在二種類あること、そして過去のフォントも考慮に入れれば
●フォントの中の情報を使う
●ブラウザーが判断する
●上記二つが競合した時の規定
をそれぞれ定めないといけない模様で、これに加えてCSSではtext-orientation[1]で製作者が制御できるようにしようとしているので、問題が複雑になっています。

ブラウザー側の判断としては
	縦書で正立: EAW (Unicode East Asian Width[2])=F|W
で漢字やひらがななどのほぼ明確なCJK文字は救えるのですが、BopomofoとHangulに151文字救えない文字があることが判明しました。UnicodeとW3Cの両方で活動しているAsmusがこれについての調査とUnicodeへの問題提起をしてくれることになりました[3]が、当面は
	縦書で正立: EAW=F|W or Script=Bopomofo|Hangul
と逃げるしかなさそうです。

またEAW=Aのものは、各言語で異なるように使われてきたがUnicodeで統合された記号類なので、きちんと判定してあげないと、三点リーダー(…)や外字が全滅しますが、これについてはフォントにもUnicodeにも明確な判断基準がなく、経験的にこういう判断をしたら大体の場合うまく行った、ということを過去にやってきているので、標準化しきれない。でも標準化しきれないと、ブラウザーが実装するのが困難になる、あるいはブラウザーによって挙動が違うことになる、という狭間で検討を続けています。

引き続き調査とWG側との調整を続けます。

とりあえずご報告まで。

[1] http://dev.w3.org/csswg/css3-writing-modes/#text-orientation
[2] http://unicode.org/reports/tr11/
[3] http://lists.w3.org/Archives/Public/public-i18n-cjk/2011JanMar/0065.html

-----Original Message-----
From: public-html-ig-jp-request@w3.org [mailto:public-html-ig-jp-request@w3.org] On Behalf Of Koji Ishii
Sent: Thursday, March 10, 2011 4:45 AM
To: public-html-ig-jp@w3.org
Subject: RE: 縦書きにおける文字の向き

昨夜Editor's Draft[1]を少し書き換えてチェックインしました。が、この問題は思っていたよりも根が深く、なかなかまだよい結論に至れていません。

現在のほとんどの実装において、縦書きにおける文字の向きは、フォントの中にある情報と、OSやアプリの中のロジックの連携として決定されてきました。

CSSにおいてはfont fallbackがあるので、fontがfallbackして別のフォントの中の情報を使ったら、文字の向きが変わってしまった、というのはいいんだろうか、という疑問がまず投げられています。フォントデザイナーの方々はそれぞれの考えにおいて情報を入れているでしょうから、それを尊重してほしいと思っているでしょうし、でも見る環境によってfont fallbackが発生して、特定の文字の向きが変わってしまう、というのはブラウザーの互換性を担保するW3Cとして正しい仕様なんだろうか、という疑問との間で、どちらも納得できる案を模索しないといけません。

フォントの中の情報を尊重するとしても、フォントの中に十分な情報がない場合が多く、既存の製品はかなりヒューリスティックなロジックを入れている場合が多いと思いますが、W3C標準としてヒューリスティックなロジックを標準化するわけにもいかないので、適切に作られなかったフォントは救えないかもしれません。大手の最近のフォントは大丈夫でしょうが、手持ちのツールで作った外字フォントなどは危ない可能性があります。それをどうやって、どの程度までは救うか、というのも議論の俎上に上っています。

http://partners.adobe.com/public/developer/opentype/index_recs.html#cjk
http://www.microsoft.com/typography/otspec/recom.htm#cjk
あたりにCJKガイドラインとして縦書きに使えるフォントに対する作り方が書いてありますが、外字フォントなどではこれに従っていないものもあるようです。

また、フォントにない情報をOS/アプリ側として補完しなければいけませんが、これも時代によって正解が変わってきているので、落としどころを議論中です。今の候補はUnicode Script Property[2]とUnicode East Asian Width[3]のいずれか、あるいはその組み合わせで、レアケースをあきらめてシンプルなルールを作れないかと考えていますが、細かい問題を解決しきれていません。

正解のない問題なので、もうしばらく議論が続きそうですが、ご意見、ご見識がありましたら、ぜひお知らせください。

[1] http://dev.w3.org/csswg/css3-writing-modes/#text-orientation
[2] http://unicode.org/reports/tr24/
[3] http://www.unicode.org/reports/tr11/

-----Original Message-----
From: Koji Ishii 
Sent: Tuesday, March 08, 2011 2:54 PM
To: public-html-ig-jp@w3.org
Subject: 縦書きにおける文字の向き

縦書きにおける文字の向きについてのセクションをtext-orientationプロパティ[1]の最後に追加しました。

まだいろいろな人からヒアリングも続けており、first draftに近い文章ですが、ご意見いただけましたら幸いです。

今の文章は、UnicodeのScriptプロパティをまず使い、その次にEast Asian Widthを使っていますが、Scriptプロパティの仕様についてはまだ議論が続いています。

よろしくお願いいたします。


[1] http://dev.w3.org/csswg/css3-writing-modes/#text-orientation
Received on Wednesday, 16 March 2011 00:47:19 GMT

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