RE: text-autospace (和欧四分アキ) における「和字」の定義

道広さん、ご見識、ありがとうございます。

> 上記のうち,[1] を考慮すれば,分かち書きをするスクリプトはすべて
> alpha に含めたくなります。
> 微妙なのは和文・ハングル混植です。たとえば
>  ハングルはハングルで한글と書きます。
> の場合,ベタがいいのでしょうか? これは和ハン混植を実践されている
> 方のご意見を伺いたいところです。
> (私の素人目では空いててもおかしくないと思いますが)

そうですね、ハングルは空白で区切りますから、道広さんの原則に従えばアケてもいいように思えますが、「和欧」と分けた時に「欧」に入るのか、というと微妙なところもあり、難しいですね。個人的には同意しますが、データがありません。ご見識の深い方がいらしたらぜひお伺いしたいです。

> ところで,タイ語文中に欧文が来たら? 当然空けるでしょう。

「和×?」以外の定義をここに入れるのはさらに難しいです。それはネイティブな方からのリクエストが来たら、というのに任せておきたい、というのは消極的でしょうか。


> ◎欧文括弧の外側

コンテキストに依存するものは、自動処理しないべきだと思います。従来通り、必要な場所に必要なマックアップ、あるいはスタイルを入れて処理するべきではないでしょうか。


> ◎空き量
> ところで,空き量が 1/4 em に固定なのはちょっと厳しいルールかなと
> いう気がします。

CSS Text Level 3で目指すのは、印刷の良いところとブラウザーの良いところの融合であり、印刷で行ってきたすべてをブラウザーに実装しよう、というものではないと思っています。In Designでできるすべての設定をCSSにも、という声もありますが、今日現在、それが広くすべてのブラウザーに受け入れられるとは思っていません。

CSS Text Level 3が普及した後、広く声が上がるようであれば、CSS Text Level 4で、あるいは印刷・電子書籍など特定分野でのみ強い声が上がるようであれば、特定分野向けの別仕様でカバーするべきだとは思いますが、CSS Text Level 3ではパラメータなどを極力減らし、極力スイッチレベルで済むものに絞った方が受け入れられやすいだろうと思っています。他の機能を見ていただいても、ワープロでもできることがまだCSS Text Level 3では満たされていませんので、まずは第一歩、とお考えいただければと思っています。


-----Original Message-----
From: 道広 勇司 [mailto:mich2@moji.gr.jp] 
Sent: Friday, January 28, 2011 3:20 PM
To: Koji Ishii
Cc: Yasuo Kida; public-html-ig-jp@w3.org; ISHINO k16 (k16@antenna.co.jp)
Subject: Re: text-autospace (和欧四分アキ) における「和字」の定義

道広と申します。先日 ML に入れていただきました。
文字・組版・印刷・ウェブに興味を持っている素人に毛が生えた者です。

話の流れからちょっと外れてしまうのですが…。


◎なぜ空けるか,どこを空けるか
和欧間を空けたい理由は三つほどあると思います。

[1] 和文中に二語の欧文があった場合,和欧間がベタだと奇妙に見える。

  線文字BはMichael Ventrisが解読した。
 
[2] 欧文は,和文(とくに仮名)に比して,視覚的なサイドベアリングが
 少ない。欧文単語同士はワードスペースで隔てられるが,和文との境界
 をベタにすると和文同士以上にくっついて見える。

[3] 和文と欧文は異質なので,緩衝地帯を設けることでうまく溶け合って
 見える。これは主観的すぎるので,賛同者は少ないかもしれません。
 また,漢字・平仮名・片仮名だって異質ではないかという反論もあるで
 しょう。


上記のうち,[1] を考慮すれば,分かち書きをするスクリプトはすべて
alpha に含めたくなります。

微妙なのは和文・ハングル混植です。たとえば

  ハングルはハングルで한글と書きます。

の場合,ベタがいいのでしょうか? これは和ハン混植を実践されている
方のご意見を伺いたいところです。
(私の素人目では空いててもおかしくないと思いますが)


分かち書きをしなくても,タイ文字などは [2], [3] の理由からやはり空
けるのが妥当と思います。

ところで,タイ語文中に欧文が来たら? 当然空けるでしょう。
そうすると,alpha と ideograph だけでは済まないということになります
ね。文字のカテゴリーとして,分かち書きしないスクリプトの数+1が必
要になるのではないでしょうか。

alpha と ideograph の二つで済ませるのであれば,「あとはあらわにスペ
ースを入れてくれ」とせざるを得ないように思います。


◎欧文括弧の外側
欧文括弧類の外側をどうするかは難しいです。

  その理由は文献[23]にあるように…

のとき,[23] の前後は空いてほしいですが,

  …ではないとされる<sup>[23]</sup>。

のときはベタでないとおかしいです(もしくはヘアスペース)。
※これは sup のスタイルで解決するのかな?


◎空き量
ところで,空き量が 1/4 em に固定なのはちょっと厳しいルールかなと
いう気がします。
四分空きというのは活版時代の名残りではないでしょうか。
使う書体と文字サイズによるでしょうが,私は本文中では 1/5 em 空き
をよく使います。
とりわけ以下のようなケースで,1/4 em が空き過ぎに感じます。

  特割切符(1 日券)

さらに問題なのはディスプレイタイプ(見出し類)のように文字が大き
い場合で,多くの場合,1/4 em では空きすぎて見えるでしょう。

空き量が指定できるのがいいと思うのですが。

Received on Sunday, 30 January 2011 10:42:14 UTC